illustratorさいとうつづりのblog
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天神地祇
イ ノ ル




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テ ノ ヌ ク モ リ




ワ タ シ ヲ ヨ ブ コ エ




ダ キ シ メ ル




イ ト オ シ イ




ハ ナ サ ナ イ




桜




イ ノ ル




サ ク ラ サ ク




ツ キ ノ ナ イ ヨ ル
2 0 1 2
小さな私たちは
静かに物語を紡いでゆく

誰も結末なんて知らないの

知らないけど
止めることはできなくて
進むことしか許されないから

次のお花畑まで歩いてゆこう


2012


私の書き留めるつたない文を読んでくださる皆さま
ありがとう

こんなことを書いて何になるのか
何にもならないかもしれないけれど
描くことも書くことも物語を綴ってゆくこと
この名のごとく
綴ってゆく
綴ってゆけ


新しい年のはじまり


つづり


誰も結末なんて知らないの
スープ 鶚
春と夏と秋と冬に花を摘む

一年かけて摘んだ花たち
摘んだら眺めて
感謝して
大切に食べてしまう

赤も緑も白もピンクも青も紫もみんな食べてしまった

最後に残った黄色い花
水仙、デージー、鑞梅、タンポポ、向日葵、カタバミ、フェンネル、ミモザ、山吹
マリーゴールド、カモミール、月見草、オシロイバナ、菜の花、ひなげし、オミナエシ
トサミズキ、紅花、レンギョウ、チューリップ、秋桜、ナスタチウム、エニシダ
フリージア、福寿草、ヴィオラ、すみれ、ラナンキュラス、金木犀・・・
父の庭に咲いたオールドローズのカナリーバードも忘れずに

そのすべての花びらを煮溶かして
終わりのスープ
この年の終わりに黄色のスープ

こんなに美しいスープになったのね
ありがとう
あなたたちはやさしい


スープ


闇に咲く菜の花
菜の花


迎える年にもたくさんの花を
たくさんの花と出会うことができますように
春と夏と秋と冬に

花が降りそそぎますように
スープ 鵺
感情が暴走する


感情が冬空の下へ飛び出した
張り裂けそうな胸を
あふれてしまいそうな思いを
両の手で必死につなぎ止めるようにして
どこかへと走って行ってしまった


探していた場所を見つけたの
それとも怖い夢を見たの
その瞳に映したものは何
映すものは何
これから何を映すというの


スープをつくる
あたたかなスープ
焔をミルクで煮溶かせば 薔薇色をした美しいスープ
そうしてあの子の帰りをそっと待つ
震えるその手をやさしくほどく

スープ
スープ
スープを食べましょう

あらゆるものを煮溶かして
いろんな色のスープを作るのよ
ぐつぐつぐつぐつ ぐつぐつぐつ と

赤や黄色の落ち葉をたくさん集めたなら
それは美しい緋色のスープ
緋の湖に金色の星の粉がビロードのように揺らめいて
それを口に含むことはステキなことよ
とてもステキなことなのよ

落ち葉


木曜日に生まれた物語
シロツメクサのガーランド
あの日の行方
秘密
音の中に知る森の深みと悦楽
白昼夢と歪に響くブリキのオルゴール
夜空の標本箱
静かに鍵をかけた日のこと
思い出のクリスタル
羊の記憶 風の記憶  メランコリック 闇とかそけし光の記憶
ただひとつの場所
祈りの夜

たくさんスープを作らなくては
作るべきスープはたくさんあるの


スープを食べましょう
あたたかいうちに 冷めないように
もう覚めてしまわないように

スープ

キミが笑えばいいな
あの子が泣いているよ
あの子が泣いている
遠いところで
ひとりきりで
黒曜石の瞳はルビーと化して
雨は静かに大地を濡らす
いつ止むとも分からないけれど
大地よ 優しい大地よ
いつか降り止むその時まで
どうか大地よ
あの子をすべてのまがごとから守りたまえ


月は幾度も闇夜を照らし
煌めきは尾を引いて大地へと降りそそぎ
それからしばらくが経ち
雨のあとには小さな芽が出て
やがて白い花が辺り一面咲き誇り
無数の綿毛が舞うのを見た者は
のちにそれを奇跡とも 夢や幻のようだったとも語り継ぐ


風の便りで聞いたんだ
花の咲いたその場所に あの子はもういないって
そっと姿を消したって
そこからどこへ行ったのか
それとも空を飛んだのか
けれどあの子はひとりじゃない
もうひとりきりではなかったって


あの子はきっと旅の中
雨よ さよなら
あの頃のように 穏やかに
黒く深く澄んだ瞳で
口もとには木漏れ日の微笑みをたたえて


あの子が笑えばいいな
笑っていればいい


羊

こわくなんてないさ
ハロー ジャック
はじめまして。
あなたはおばけなのでしょう?
それなのにどうしたの、そんな顔をして。
何かに怯えたような、そんな表情をして。
大丈夫だよ、仲良くしよう。
あなたの知っている世界のこと、教えてくれる?

オバケ

手のひらサイズのかわいいジャック。
臆病でさみしがりやの、闇からやって来た私のトモダチ。