さいとうつづりの黒い森
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あの夏
夏の終わりに決まって思い出すのは
大学の最後の年の旅のこと。
日本から船で2泊し上海へ、そこから寝台列車に揺られさらに2泊し
中国の奥地、新彊ウイグル自治区へ。
そのウイグルを周遊する旅をしたのが、この季節だった。

日本各地の様々な大学から集まった知らないもの同士約20人が
はじめましての挨拶もままならぬまま
いっしょに海を渡り、列車に揺られワゴンに揺られ
寝食をともにして
笑い、泣き、喜び、胸が張り裂けるほどの感動に震え
その旅は時に(始終?)とてもハードだったので
命がけともいえるような場面も何度も味わい
さらには慣れない環境に次から次へと体調を崩して倒れていったり
馬に乗って移動したりカザフ族のゲルで泊まったり
荒野の吹きすさぶ風を感じたり
仏教遺跡を訪れたり
砂埃舞うイスラム圏の町を探索して人々の暮らしを見せてもらったり
360度、見渡す限り柔らかに弧を描く地平線に地球の丸さを感じたり
羊を解体して丸焼きを食べたり
肌を切る寒さにみんなで身を寄せ合って眠ったり
休憩のたびにハミウリを食べたり
向日葵畑の中を歩いたり・・・
言葉では語りきれない濃密な3週間。
旅の途中、それまでの人生観はガラガラと音を立てて崩れてゆくばかりで
悠久の大地を前にしてポツンと座っていると
己の小ささを思い知って
自分がもはや何者でもないような気がして
すべてが無いような気がしたし
すべてがあるような気がした。
放心した頬を涙が流れた。

帰国後は今までの生活や環境に違和感を感じしばらく馴染むことができなくて
吐き気すら感じて苦しんだのを覚えている。
あの地で見て来たことを忘れてはいけない
この思いを忘れてはいけない
そう自分に言い聞かせて、必死に心に刻み込んだ。
そしてそれから何年かが経った今、その時の感覚は早くもだいぶ鈍り
視界も濁ってしまったように思う。
何をやっているのだと呆れて、自分を叱る。
いつの間にかついてしまったものを、落とさなくてはと思う。
とはいえ、いつまで経ってもあの時のままでいられるとは思っていないし
求めるものに合わせて必要なものは進んで取り入れようと思ってる。
それについてはもっと進んでしなければいけない。
(それは、この間ここにも少し書き留めた
  "本当" を求めることであったりするわけなのだけど・・・)
けれど、余分なものやいらないものはできる限り削ぎ落としていきたい。
・・・なんて、口にしたり理想論を掲げるのは簡単だけど
まだまだ全然できてない。
でも、私がこれからもあの地のことを忘れるわけは決してないのだし
あの "Cipher(ゼロ)" の感覚を経験しているので
どうなっても立ち返るべきところを知っているから
きっとこの思いを守り抜いていけるだろうと
・・・ここまできてから「あれ?」と、
また独りよがりな余計なことばかり書き連ねているようで
ちょっと後悔してきているのだけど・・・
そんなふうに思ってる。

ちなみに私はそんな団体行動
ましてや見ず知らずの人たちの中に自ら望んで入るなんてことは
後にも先にもその1度きりだろうと思う。
私にとってその旅に参加することは、それほど異例な行動だった。
けれどあの時は
一般的な観光旅行では得ることのできない何か大切なものが待ち受けている気がして
そこには私たちの暮らしの中では知り得ない真実や混沌がある気がして
そして一度自らをそういった場所に置く必要がある気がして
何かそういった力に突き動かされるように参加を決めたのだった。
幸い、どこか似たところや思いを持ち合わせた者同士が集まったので
メンバーには救われたし
すでに旅慣れしていたり
ずば抜けた行動力を持っていたり
個としてしっかりしている人たちばかり(私を除いて)でおののいた。
その旅を終えてからもたまに集まったり
いまだに繋がっていて
"ウイグル" は特別な響きを持つ合い言葉のようだし
みんなの中にもウイグルは変わることなく存在していて
そうしながらも、それぞれが自分らしい道を歩んでいてステキだなぁと思う。
私も恥じないようにしなくてはいけないなぁと思う。

目を閉じればいつだってあの荒野が広がる。

ウイグル

ウイグル3

ウイグル2
キジル千仏洞

ウイグル4

ウイグル9
バインブルク

ウイグル5

ウイグル6
クズルガハ烽火台

ウイグル10

そんな旅を思い返す、夏の終わり。
外から聞こえる虫の音、名前はわからないけどきっとあなたは秋の使者。
そう、秋がやって来る。

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ご無沙汰です。
じまです。

久しぶりに訪れてみたら、懐かしい内容だったんで、つい。

純粋に楽しかったなー。
あれからそれなりの年月が経ったんだね。。。
また、みんなで会いたいね!
じま | 2011/09/19 12:33
あつし!
おひさしぶり。
メッセージ、ありがとう。
今はどこの国の空の下?
帰って来たら、またみんなに招集かけてね。
集まろう。
つづ | 2011/09/19 21:29
今は南スーダンという所にいます。
世界で一番新しい「国」です。
元気にやってます。

年末に任期を終える予定なので、そしたらみんなで集まりたいね!
いつかまた、絵も見に行かせてください。
じま | 2011/09/21 07:09
元気そうで何より。
ガーナから南スーダンへ、どんな国なのだろう。
帰国を楽しみにしているね。
他のみんなも元気でありますように。
またね!
つづ | 2011/09/22 05:03
久しぶりに訪ねたよー
ウイグル、確かに合言葉みたいだ。笑

>すべてが無いような気がしたし
>すべてがあるような気がした。

バインブルクのあの光景の前でわたしもそう感じたよ。
旅に出る根本的な理由は「ゼロになること」、線じゃなくて点になること。
あの身が切れるほどの解放感、最近味わってないなー。
ゆみねえ | 2011/10/05 23:48
COMMENT









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